祝 富士山世界遺産決定
昨日、長年の夢であった世界遺産に登録されました。 今でこそ老若男女問わず登山を楽しめることができる富士山だが、かつて富士山に登ることが許されない、気の毒な人々がいた。
それは女性である。
平安時代より、富士山は「霊山」として山岳信仰の対象になっており、長く「不浄」と考えられてきた女性には登山が許されなかったのだ。
女性からすると、「まったく失礼しちゃうわ」という話でお怒りの声も聞こえてきそうだが、これはなにも富士山に限ったことではなく、相撲の土俵なども「女人禁制」。信仰上の理由でしかたがなかったのである。
そのため、江戸時代の女性たちは吉田口登山道の2合目にあった御室浅間神社までしか登れなかった。神社東南1キロ上に設けられた「女人天拝所」から、その雄大な景色を眺めていたという。
しかし、いつの時代も、女性はたくましい。そんなルールなど関係ないわ、とばかりに富士山に登ってしまった女性がいる。
彼女の名前は「高山たつ」
高山たつは、男女平等を説いていた小谷三志という男性たちの協力を得て、マゲを結って、男装してこっそりと山に入り、見事頂上にまで辿り着いた。
江戸時代(天保3年)の旧暦9月26日のことで、これが記録に残る女性初の登頂で、その後、明治5年(1872)の女人禁制解除で、女性たちも登ることができるようになった。
男装してまでも登りたい。それぐらい富士山というものに人をひきつけてやまない魅力があるということかもしれない